こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「原処分主義と裁決主義を説明してもらえないでしょうか。」

 

そこで、今回は「原処分主義と裁決主義」について解説していきます。

 

原処分主義と裁決主義ですが、取消訴訟には「処分の取消訴訟」と「裁決の取消訴訟」の2種類があります。

この2種類の取消訴訟の使い分けについての考え方が、原処分主義と裁決主義です。

(原則が原処分主義で、例外が裁決主義)

 

まず、原則の原処分主義は、次のような考え方です。

・処分を取り消すとき ⇒ 処分の取消訴訟をする(裁決の取消訴訟はできない)

・裁決を取り消すとき ⇒ 裁決の取消訴訟をする(処分の取消訴訟はできない)

 

次に、例外の裁決主義は、次のような考え方です。

・処分を取り消すとき ⇒ 裁決の取消訴訟をする(処分の取消訴訟はできない)

・裁決を取り消すとき ⇒ 裁決の取消訴訟をする(処分の取消訴訟はできない)

 

つまり、裁決主義のときは、処分を取り消す場合も裁決を取り消す場合も、裁決の取消訴訟をすることになります。(裁決主義だと、処分の取消訴訟はできない、という理解でもOKです)

 

これを踏まえて、原処分主義と裁決主義が問題になっている、平成18年度の問題17の選択肢1と2をみていきます。

 

<選択肢1>

「裁決主義の場合は、元の処分に対する取消訴訟は提起できず」

⇒ 裁決主義では、処分の取消訴訟はできないので正しい。

「元の処分の違法についても、裁決の取消訴訟で主張すべき」

⇒ 裁決主義では、処分を取り消すときも裁決の取消訴訟をするので正しい。

 

<選択肢2>

「行政事件訴訟法は原処分主義を採用している」

⇒ 行政事件訴訟法10条2項にあるので、正しい。

「審査請求に対する棄却裁決を受けた場合、処分の取消訴訟で争うべきで、裁決の取消訴訟はできない」

⇒ 原処分主義の場合は、裁決を取り消したいときは裁決の取消訴訟をするので間違い。

 

今回は、原処分主義と裁決主義についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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