こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「「その他の」と「その他」は、どう使い分けているのでしょうか?」

 

そこで、今回は「その他の・その他」の使い分けについて解説していきます。

 

「その他の」と「その他」は、「の」があるかないかの違いですが、この「の」があるのとないのとでは、意味が変わります。

 

「その他の」の場合は、「その他の」の前にある言葉は、「その他の」の後にある言葉の例になります。

「その他」の場合は、「その他」の前にある言葉と「その他」の後にある言葉につながりはなく、ただ言葉を並べていることになります。

 

その他の・その他が、行政手続法2条2号・3号に使われているので、この条文を題材にして、その他の・その他の使い分けを見ていきます。

 

行政手続法2条2号・3号

二 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

三 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

 

行政手続法2条2項は、処分の定義についての条文ですが、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」と「その他」が使われています。

行政手続法2条3項は、申請の定義についての文章ですが、「許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分」と「その他の」が使われています。

 

まずは「その他の」について見ていきます。

「許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分」は、自己に対し何らかの利益を付与する処分の例として、許可、認可、免許が挙げられています。

 

次に「その他」について見ていきます。

「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」は、処分の定義として「行政庁の処分」と「公権力の行使に当たる行為」の2つが並べられています。

 

このように、後ろの言葉の例として、前の言葉を挙げる場合は「その他の」を、前の言葉と後ろの言葉をただ並べる場合は「その他」を使って、使い分けがされています。

 

それでは、ひとつ問題を出します。

次の空欄【  】には、「その他の」「その他」のどちらが入るでしょうか。

 

行政事件訴訟法33条1項

処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁【  】関係行政庁を拘束する。

 

正解は、行政事件訴訟法33条1項の条文をご確認ください。

 

今回は、「その他の・その他」の使い分けについてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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