こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「「みなす」と「推定する」は、どう違うのでしょうか?」
そこで、今回は「みなす・推定する」の違いについて解説していきます。
「みなす」と「推定する」は、どちらも「法律ではこう決める」という意味の法律用語ですが、大きな違いがあります。
その違いは、決まったことを覆せるか(ひっくり返せるか)どうか、です。
「みなす」は、決まったことが覆ることはありません。(ひっくり返せない)
「推定する」は、決まったこととは違う証拠があれば、決まったことが覆ります。(ひっくり返せる)
民法939条に「みなす」が、民法250条に「推定する」が使われているので、この条文を題材にして、みなす・推定するの違いを見ていきます。
民法939条
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
民法250条
各共有者の持分は、相等しいものと推定する。
まずは、「みなす」について見ていきます。
民法939条は、相続の放棄について「相続の放棄をした人は、最初から相続人にならない」と決めた条文ですが、「みなす」なので、相続の放棄をした人が、後で相続人になることは絶対にありません。
次に「推定する」について見ていきます。
民法250条は、各共有者の持分は「相等しい(同じ)」と決めた条文で、たとえば、AさんとBさんが、甲土地を共有している場合、法律では2人の持分は「50%ずつ」となりますが、「推定する」なので、Aさんの持分が80%、Bさんの持分が20%という証拠があれば、50%ずつが覆って、Aさんの持分が80%、Bさんの持分が20%となります。
このように、「みなす」は、決まったことが絶対に覆らない、「推定する」は、決まったこととは違う証拠があれば覆るという違いがあります。
それでは、ひとつ問題を出します。
次の空欄【 】には、「みなす」「推定する」のどちらが入るでしょうか。
民法528条
承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものと【 】。
正解は、民法528条の条文をご確認ください。
今回は、「みなす・推定する」の違いについてお話をさせていただきました。
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