こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通信講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「過去問の平成28年度、問題17の選択肢アで、「自己の法律上の利益に関係のない違法」とあるのですが、この場合に却下ではなく棄却になるのはなぜでしょうか。」
そこで、今回は「自己の法律上の利益に関係のない違法を主張すると棄却になる理由」について解説していきます。
過去問の平成28年度、問題17の選択肢アのように、自分の法律上の利益とは関係ない違法を主張した場合に、却下ではなく棄却になる理由は、自分とは関係なくても「法律上の利益」があるにはあるので、門前払い(却下)にはならないからです。
「法律上の利益」は、取消訴訟をするための訴訟要件のひとつなので、法律上の利益がなければ、訴訟要件を満たさずに門前払いです。(却下)
法律上の利益があれば、訴訟要件は満たすので裁判はできますが、だからといって他人の法律上の利益を主張して裁判に勝てるかというと、そうではなくて、「自分の法律上の利益」に関係した違法を主張しないと「主張に理由がない」として裁判に負けます。(棄却)
あまり難しく考えずに、「自己の法律上の利益に関係の無い違法」を主張した場合は、主張に理由がないから棄却、とおさえればOKです。
実際に、次の判例では「自己の法律上の利益に関係のない違法」を主張した上告人に対して、棄却判決が出ています。
今回は、自己の法律上の利益に関係のない違法を主張すると棄却になる理由についてお話をさせていただきました。
いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
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