こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。

 

行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。

「過去問の平成24年度、問題15の選択肢2は、どの部分が間違っているのでしょうか?」

 

そこで、今回は、その選択肢の論点になっている「審査庁と処分の変更」について解説していきます。

 

選択肢2は、審査庁が「処分庁の上級行政庁」「処分庁」のどちらでもない場合でも、一定の処分(処分の変更)ができると書いてあるので、その部分が間違っています。

 

行政不服審査法46条1項には、こう書いてあります。

「処分についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。 」

 

この条文をまとめると、次のようになります。

・審査庁が「処分庁の上級行政庁」か「処分庁」のときの認容裁決

⇒ 処分の「取り消し」か「変更」をする

・審査庁が「処分庁の上級行政庁」「処分庁」のどちらでもないときの認容裁決

⇒ 処分の「取り消し」をする ※変更はできない

 

選択肢2の「処分庁に代わって一定の処分を行う」は、行政不服審査法46条1項の「処分の変更」のことです。(処分を変更する≒別の処分を行う)

そして、選択肢2の主語は「審査庁は」となっているので、審査庁が「処分庁の上級行政庁」「処分庁」「どちらでもない」のどれなのか特定されていません。

 

ということは、選択肢2をまとめると、次のようになります。

 

<選択肢2>

審査庁が「処分庁の上級行政庁」「処分庁」「どちらでもない」のどの場合でも、認容裁決で次の2つのことができる。

①処分の取り消し

②処分庁に代わって一定の処分(処分の変更)

 

実際は、条文のまとめにある通り、審査庁が「どちらでもない」場合、②はできないので、そこが間違いです。

 

今回は、審査庁と処分の変更についてお話をさせていただきました。

いつも本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

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