こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟を併合提起する場合の具体例にはどんなものがありますか?」
そこで、今回は、「処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟の併合提起」について解説していきます。
たとえば、Aさんが、飲食店を始めようとして、保健所に飲食店の営業許可の申請をしたら、保健所から拒否処分が出ました。(営業許可が取れない)
拒否処分に納得できないAさんは、審査請求をしましたが、棄却裁決が出ました。
この段階で、Aさんは、処分の取消訴訟と、裁決の取消訴訟の両方ができます。
Aさんからしてみれば、最大の目的は「飲食店の営業許可を取る」ことなので、保健所の拒否処分に対する取消訴訟をして勝訴すれば、目的は達成できます。
(審査請求の裁決に対する取消訴訟をする必要はない)
でも、Aさんは裁判のことを良く知らなかったため、本当なら処分の取消訴訟をするのが一番良いのに、裁決の取消訴訟をしてしまいました。
そのまま裁判が進んで、審査請求の裁決が出てから6ヵ月が過ぎた後で、本当は処分の取消訴訟をするのが良かったことにAさんは気づきました。
審査請求の裁決から6ヵ月経っているので、出訴期間は過ぎていますが、裁決の取消訴訟をしていたら、処分の取消訴訟を追加して併合提起できます。(行政事件訴訟法20条)
裁決の取消訴訟をした時点で、処分の取消訴訟もしたとみなされるので、出訴期間が過ぎていても、処分の取消訴訟ができます。
このように、処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟を併合提起するときは、初めから併合提起するのではなく、処分の取消訴訟の出訴期間が過ぎてしまったため、裁決の取消訴訟に、後で処分の取消訴訟を併合提起するケースが考えられます。
今回は、処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟の併合提起についてお話をさせていただきました。
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