こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「執行罰と秩序罰の違いは何でしょうか?」
そこで、今回は「執行罰と秩序罰の違い」について解説していきます。
執行罰と秩序罰は、どちらも「罰」がついていて紛らわしいですが、
具体例で覚えることで、混乱することがなくなります。
まず「執行罰」ですが、これは「レンタルDVDの延滞料」です。
たとえば、2泊3日で借りたDVDは、借りたら3日以内に返却する義務があります。
3日以内に返却しなければ、1日につき300円の延滞料がかかるとします。
もし、返却が3日遅れたら、「300円×3日=900円」の延滞料となります。
これと同じ考え方をしている罰が、執行罰です。
現在の法律で、執行罰があるのは、砂防法36条だけとなっています。
砂防法36条には「命じられた義務を怠った場合、500円以内の過料」とあります。
これは執行罰なので、レンタルDVDの延滞料金のように、義務を果たすまで過料がどんどん加算されていきます。
仮に義務を果たすまでに20日間かかったとしたら、合計で「500円×20日=1万円」の執行罰となります。
「執行罰=レンタルDVDの延滞料=砂防法だけ」とおさえておけばOKです。
次に「秩序罰」ですが、これは「軽い義務違反に対する行政罰」です。
たとえば、子どもが生まれたら、14日以内に出生届を出す義務がありますが、その届出を忘れていたら、しばらく経った頃に「出生届が出ていないので、1万円の過料です」などの通知が来ます。
これは行政罰なので、罰を受けるのは1回だけです。
執行罰のように、届出をするまで繰り返し罰を受けるわけではありません。
「秩序罰=軽い行政罰=届出忘れの過料など」とおさえておけばOKです。
また、執行罰と秩序罰の違いは、「繰り返し罰を受けることがあるかどうか」です。
・執行罰 ⇒ 繰り返しOK(レンタルDVDの延滞料の考え方と同じ)
・秩序罰 ⇒ 繰り返しNG(一般的な罰則の考え方と同じ)
行政法上の分類としては、執行罰は「強制執行」のひとつで、秩序罰は「行政罰」のひとつです。
強制執行は全部で4つ、行政罰は全部で2つに分かれていますが、4つの強制執行、2つの行政罰はそれぞれ頭に浮かんだでしょうか。
強制執行は「代執行」「執行罰」「直接強制」「強制徴収」の4つ。
行政罰は「行政刑罰」「秩序罰」の2つ。
この6つは、暗記しておきたいです。
今回は、執行罰と秩序罰の違いについてお話をさせていただきました。
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