こんにちは。行政書士試験対策専門スクール ステップアップファースト 代表の清水一嵩です。
行政書士通学講座(個別指導)の受講者から、次のような質問をいただきました。
「行政事件訴訟法14条1項には「知った日から6ヵ月」とあって「翌日」とは書いてないですが、初日は算入されるのでしょうか?」
そこで、今回は「取消訴訟の出訴期間と初日不算入」について解説していきます。
行政事件訴訟法14条1項には、取消訴訟の出訴期間が「処分又は裁決があったことを知った日から6ヵ月」とあります。
【参考】行政事件訴訟法14条1項
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6ヵ月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
結論としては、条文には「翌日から6ヵ月」とは書いていませんが、初日不算入の原則に従い、初日は算入されません。
行政事件訴訟法でも初日不算入の原則が採用される理由は、次の順番で考えていくとわかります。
まず、行政事件訴訟法には、出訴期間を計算する場合に、初日は算入するのか、算入しないのか、についての条文はありません。
この場合は、行政事件訴訟法7条から、民事訴訟法の考え方が採用されます。
【参考】行政事件訴訟法7条
行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。
次に、民事訴訟法を見ると、民事訴訟法95条1項に「期間の計算は民法の計算方法を使う」という条文があります。
なので、行政事件訴訟法の出訴期間の計算にも、民法の計算方法を使うことがわかります。
【参考】民事訴訟法95条1項
期間の計算については、民法の期間に関する規定に従う。
最後に、民法を見ると、民法140条1項に「初日は算入しない」という条文があります。
【参考】民法140条1項
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
行政事件訴訟法でも、この民法140条1項の考え方が採用されるので、取消訴訟の出訴期間は初日不算入ということになります。
今回は、取消訴訟の出訴期間と初日不算入についてお話をさせていただきました。
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